俺は何がしたい

30代男の日々感じたこと

晩夏


f:id:notmean:20180902102957j:image

夏休みが終わるね。

 

学生でもあるまいし夏休み期間が終わろうが関係ないけど、一抹の寂しさを感じるのは何でだろう。

 

夏の思い出というと、それなりに色々な思い出がある。祖父の家の雑木林を探検させてもらったこと、くそ暑い昼下がりに友達とチャリで海に行ったこと、親戚の家に泊まらせてもらったこと、親父とクーラーのがんがん効いた部屋で将棋したこと。

 

もうその殆どに今は手が届かない。

 

もうあの頃の夏は帰って来ないんだ。

 

この事実は紛れようもなく、感傷に浸ろうとすれば虚しい気持ちが込み上げてくるけど、よくよく考えれば人も時代も自分も変わって行くなかで、遠い少年の日の憧憬に胸焦がし続けるなんて後ろ向き過ぎる。

 

きっともう、バトンを受け渡す側になってしまったのだ。子供時代の夏の思い出は、大人が守ってくれたから、時間を割いてくれたから、金を使ってくれたから体験できた素敵なプレゼントだったんだ。

 

今はきっともう、自分が貰う側から与える側になったんだ。「子供時代の夏は最高」って信条が自分の中にはある。この信条を今の子供たちにも持ってもらえるよう、今は自分が与える側に回ったのだ。

 

と言っても、子供がいる訳じゃないので、せいぜい甥っ子たちが遊びに来たときに構ってやることくらいしかできない。

 

まあ、それでもいいかな。何年後かに甥っ子たちが俺と遊んだ夏を思い出して「よかったな」って少しでも思ってくれたら、少なからずこのバトン回しは成功してるんだ。

 

少し前まで、二十代半頃までは「自分が自分が」だった。でも、今はそれだけではちょっと退屈に思えてしまう。「自分が自分が」では単純につまらないのだ。自分を満足させるだけというシンプルなルールに飽きてしまったのかも知れない。

 

さて、もうそろそろ夏は終わってしまうけど、次の季節には一体何が待っているのか少しだけ楽しみにしてみようと思う。

 

でも、やっぱり寂しい。

 

夏の田園を駆け抜けてまた皆で海に行きたいな。