俺は何がしたい

30代男の日々感じたこと

バーベキューでトースト

 

実家の庭でバーベキューをするのが好きだ。昨日もいつものように七輪を出し、ひとり優雅に肉を焼き食らっていた。

 

そんな時、母がひょいと顔を出し「これも焼いといてくれ」と渡されたのは一枚の食パンであった。食パンを七輪で焼くというのは完全に想定外であったため、うまく焼けるか心配したが、意外ときれいにそして早く焼き上がった。

 

焼き上がったパンを渡すと、母はそれにママレードを塗りむしゃむしゃと食べ始めた。私は「たまに小粋なことをするよな、この母は」と思った。

 

味見にとパンの一片をもらい食べてみたが、これがなかなかに美味い。トースターで焼いたものとさほど遜色なかった。それに、備長炭でパンを焼き、野外でトーストを食べるというシチュエーションの新鮮さもあってか、何やら特別な物を食べているような気分になった。

 

「意外とうまく焼けるもんだね」と言うと、「当たり前だ。トースターがなかった頃はフライパンでパンを焼いてたんだ」と母。なるほど、これが年の功というやつか。いや、ちょっと違うか。

 

何にしても、バーベキューでトーストというのは新たな発見であったので、今後どのように調理しようかなと考えてみた。グーグルで調べればその類のレシピが出てくるのだろうが、検索してしまってはつまらないのでやらない。

 

・輪切りにしたフランスパンを焼き、それにバターを塗り食べる。バーベキューの中盤のブレイクタイムにいいんじゃないかな。何の変哲もないからこその安心感がある。あわせて飲むのは白ワインかな。コーヒーでもいいかも。

 

・食パンをピザトーストにして食べる。食パンのうえにトマトソース、チーズ、パプリカ等を乗せてアルミに包んで焼く。チーズが溶け出した頃にアルミを開封してパンをさぼせばある程度カラっといけるんじゃないかな。

 

・これはもはやトーストではないけど、フランスパンにオリーブオイルをかてけ食べるというもの。まず、ダッチオーブンにオリーブオイルと刻んだニンニクを入れて温め、そこに切れ目を入れたフランスパンを投入する。切れ目に生卵を投下したら温まったオリーブオイルをパンにかけて、卵に熱を加える。黄身が半熟になったくらいのタイミングで引き上げ、それを食べる訳だ。これは、以前テレビでスペイン人シェフが思い出の家庭料理として紹介していたものだ。フランスパンとオリーブオイルの相性は抜群なのできっと美味いだろう。

 

以上がぱっと思い付いたバーベキューでのパンの楽しみ方である。炭火でうまくパン料理ができるようになったら友達にも振る舞ってみようと思う。自慢気にね。

 

バーベキューはちょっと洋風なことをすれば「こいつはなんておしゃれなんだ!」と一目置いてもらえる特別な舞台だ。例えそれが三十代独身男性が朝食で食べるような野暮ったい料理だったとしても。