どこから来た
ふと空を見ると、はぐれ雲がひとつぷかぷかと浮かんでいた。
思わず「どこから来た?」と訪ねたくなった。遥か遠くに入道雲が見えたが、まさかあそこから?
雲だって自由気ままにやってるんだ。
人間だってそれでいいんじゃないかな。
大人たちが難しい顔で渋滞のなか信号待ちをしている横を、学生たちが颯爽と自転車で通り抜けて行く。
夏の様相に浮かれているのが表情から伺える。
ああいう顔、いつからかできなくなったな。
どうか君たちはつまらない大人にならないでくれよと、勝手なエールを送る。
学生だって多くの悩みを抱えてるんだろうし、逆に大人だって十分楽しいんだけどね。
ただ、あのはぐれ雲のように生きるには沢山のものを手に入れすぎた。
今できることは、今手にしているものでどこまで楽しく生きるかってことだ。
どうせ時間とともに色々と失ってしまう。
何かの拍子ではぐれちゃったりするかも知れないしね。
人生は自由だ。
だから、不自由を感じるならそれを選んでいるのは自分自身なのだと自覚しなくちゃいけない。
さて、今日は何をしようか。